STEP5:就農候補地を訪問しよう
大まかな営農・ 生活プランが固まれば、営農プランが実行できる就農候補地(市町村)を考えます。営農・生活プランは、 就農地の条件に大きく 左右されますので、 就農候補地を決めるに当たっては十分な、十分な現地調査が必要です。
先輩農家の話をよく聞く
今まで農業をしたことがない方(会社等を辞めて、新たに農業を始める方) が、農業を始めるのですから、実際に新規就農をする前に、自分が就農したい市町村(産地) に行って、先輩農家の話をよく 聞いてみましょう。
実際に行ってみると、 相談会や資料には載っていない情報、新しい人生にふさわしい、あなたやあなたの家族にぴったりの「やりたい農業(作りたい品目、住んでみたい場所)」がきっと見つかるでしょう。
特に岡山県の新規就農研修制度(農業体験研修)に申し込みをされる方は、体験研修をした市町村(品目)で実務研修を行い、実務研修をした市町村で就農する(=農業で生計を立てて、暮らしていく)のですから、事前に就農予定市町村をよく調査してください。
ポイント1 産地=適地適作
適地適作という言葉があるように、 農業は、その土地の気象条件や土壌条件などの上に成り立っています。 こうした面から考えると、みなさんの 「希望する作目の産地」 が就農候補地の一つに上げられます。
希望する作目の産地であれば、
① 近所の農家から技術や知識を教えてもらうことができる。
② 生産物の出荷体制が確立されている。
等から、初めて農業に取り組む人にとって、有利な面が多いと考えます。さらに、近所に同じ志を持った新規就農者の仲間がいることは、とても心強いことです。
ポイント2 農家の視察、現地調査はしっかりと
新規就農後の生活は、就農地域の条件に大きく左右されます。つまり、就農する地域を決めることは、「その地域で骨を埋める覚悟」があるかどうかを決めることと同じです。
このため、新規就農したいという方は、就農地の選択に当たり、積極的に岡山県に来て、十分な現地調査を行うとともに、その時、就農地の住居についても併せて調査することを強くお動めします。
農家出身でない方が農業を始める場合の一番のメリットは、「就農する場所や作目が選べる」ということです。 そのためには、できる限り多くの就農候補地の視察や調査を行ってください。 自分自身が足を運んでみないとわからないことはたくさんあります。
ポイント3 家族と一緒に訪問する
岡山県内の各地域に移住して、農業で一生を過ごすことについて、家族の方(配偶者の方や子ども)の理解を得ることが大切です。
農業を志し、就農する本人は、多少のことは我慢できるでしょうが、御家族の方は就農しようとする本人以上に不安も大きいと思います。就農候補地がある程度絞られてきたら、家族と一緒に現地調査を行い、就農候補地に対する理解を求めておくことが必要です。
さらに、子どもにとって農村は、豊かな自然に触れられる反面、学校や友人関係等の生活環境が大きく変化するのですから、不安を抱かないよう、 現地に同行して理解を得ることが重要です。
ポイント4 生活条件を確かめる
会社等を辞めて、新たに農業を始める方は、就農する地域で生活していくために学校、病院、スーパー等の生活環境がどうかを考えることが必要です。
農村は都会と異なり、 交通機関等が何かと不便なことも多いと思いますが、そうした条件が、みなさんの今の生活と比較して納得できるものかどうか十分考えてみることが必要です。
ポイント5 地域社会にとけ込めるかどうか
農業で成功するかどうかは、 地域社会にどれだけとけ込めるか、地域の人達との「おつきあい」が上手くできるかどうかにかかっています。
農村では、隣近所とのおつきあいが非常に大切です。
新規就農し農業を始めるということは、その地域(集落)の一員として暮らしていくことです。
農業に係わることの他、様々な特有の行事があり集落の一員として協力しなければ農業経営も上手くいきません。
ポイント6 気象条件について
県南部の気候は、瀬戸内式気候といわれ、晴天が多く、降水量の少ない気候です。 岡山市の年間平均気温は約16℃、年降水量は1,140㎜程度で、晴れの日が多いことから「晴れの国おかやま」と呼ばれています。
しかし、県北部の中国山地沿い(蒜山地域等)は、降雪があり、冬場に農業がやりにくい所もありますので、注意してください。
地帯区分 | 立 地 集 件 |
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岡山平野 | ●県南部の標高 0~100m の水田地帯で都市化の進展が著しい 。 ●年平均気温14~15℃、年降水量1,200-1,400㎜で積雪はほとんどなく温暖である。 |
岡山平野 (瀬戸内沿岸部) |
●瀬戸内治岸の丘陵畑地で、ほ場はゆるやかな傾科面である 。 ●年平均気温15℃以上、年降水量1,200㎜で冬季温暖である 。 |
吉備高原 | ●県中部に広がる標高250~500mの中位丘陵台地地帯であり、地形は起伏に富み複雑である 。 ●年平均気温12~14℃、年降水量1,300~1,600㎜で冬季一部で5~20日程度積雪がある。 |
津山盆地 | ●津山市周辺及び姫新線治線の標高100~250mの平坦水田地常と緩傾斜丘陵地帯である 。 ●年平均気温13~14℃、年降水量1,500~1,700㎜で冬季20~30日の積雪がある。 |
中国山地 | ●標高300~800mで全体的に地形は複雑で急峻な地帯である 。 ●年平均気温11~12℃、年降水量1,800~2,100㎜で冬季30~60日の積雪がある 。 |
中国山地 (蒜山) |
●標高400~500mのなだらかな高原地帯で土壌は火山灰土壌である 。 ●年平均気温11℃、年降水量2,100㎜で冬季80日の積雪がある 。 |